1 周期性発熱症候群とは
なかなか聞きなれない病名ですよね。周期性発熱、別名PFAPA症候群ともいわれます。日本人の発症率は、1万人に1人と言われているようです。5歳以下の乳幼児が発症することが多い病気です。
PFAHA・・周期性発熱(periodic Fever)
頸部リンパ節炎(cervical Adenitis)
咽頭炎(pharyngitis)
アフタ症(Aphthous stomatitis)
この4つの頭文字からPFAHA症候群と呼ばれています。
私が初めて聞いたときは「この子はこの先どうなるの?」「何か大きな病気なの?」と全くの無知でしたので、とても不安になったことを覚えています。ですが、この病気は、幸い発育や発達への影響はなく、発症していない期間は全くの無症状で、重篤な合併症もありません。
ではどんな原因で起こるのか・・それは「自己炎症性疾患」となります。何らかの理由で自然免疫がうまく作用しなくなり、何にも感染していないのに、体が勝手に炎症反応を引き起こすのです。その発作はいつ始まるか、何を誘発するのか、まだ解明されていません。そして原因や治療法は確立されていません。ですが、多くの場合は成長とともに、発作周期が長くなり、症状も軽くなります。また、嬉しいことに10歳前後には自然に症状がなくなると言われています。
筆者の息子も診断された4年前に比べて、発作の周期がとても長くなり、安定してきています。体が大きくなると共に症状も軽くなっているようです。とてもほっとしています。
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2 周期性発熱の症状・発作とは?周期はどのくらい?
ではどんな症状(発作)が出るのでしょうか。これは私も記録を取り出してから本当にびっくりしたのですが、この病名の通り「周期性」!まさに一定の間隔で定期的にやってくる発熱です。3~8週間に1回程度の頻度で、急な高熱が発症します。だいたい38~39度です。そしてその発熱は4~5日程度続き、自然に解熱していきます。筆者の息子はまさに1か月に1回。おもしろいほど定期的にやってきました。突然の高熱にぐったりする息子・・・食欲がなくなり寝込むようになります。しかし発熱以外の症状はありません。これは一体なんだろう・・と悩む日々でしたが、病名が分かったときは逆に一安心もしました。
数年の経過を得てわかったことは、発熱とともに頭痛を伴うことです。また必ずと言っていいほど、喉の奥に白い塊が見られます。主治医によると扁桃腺炎のようです。白い膿がびっしりついているんですよね。息子はこの3つ「発熱・頭痛・白い膿」が揃った時は「風邪ではなく周期性発熱だな」と判断します。
【これが実際の写真です↓】
ちょっと見にくいですが、奥の両側に白いものがついているのが分かりますか。
周期性発熱は抗生剤は効かないのでひたすら安静にするしかありません。なので、最初は風邪なのか、細菌による病気なのか、または周期性発熱なのか・・これを判断するのに苦労しました。
3 これまでの経過まとめ
具体的に2019年からどのくらいの周期で発作が起こったかをまとめてみたいと思います。
2019/8/14~ 37.6度~39.8度 3日間継続
10/7~ 37.6度~38.4度 3日間継続
2020/4/25~ 37.6度~38.4度 4日間継続
ここから月に1回(8月は2回)の頻度で37.8度~39.4度発症 3日~4日間継続
2021/1/2~ 36.9度~38.9度 2日間継続
ここから9月までの間に、月に1回の頻度で37.2度~39.9度発症 2日間~4日間継続
その後11月に1日のみ39.1度の発熱
2022/1/17 38.5度 1日のみ
2/1 38.7度 1日のみ
6/16~ 39度 2日間継続
7/3~ 38.2度 2日間継続
7/22 38度 1日のみ
9/23~ 39.7度 2日間継続
ここから突然発症がなくなり10月~2月までは安定していました。
2023/3/8~ 38.8度~39.2度 2日間継続
4/16 29.1度 1日のみ
現在まで発症なし
このような経過をたどっています。
【上記経過からわかること】
- 2019年から2021年は病名の通り周期的に月1回の発作が起きている。
- 2022年から少し間隔が開くようになり、2カ月に1回の発作後は発症なし
- 2019年から2020年は、発作継続日数が3日~4日間であったが、徐々に2日間に短縮することが増えてきた。
- 2022年になると、発作1日のみということが多くなった。
- 高熱具合はさほど変わらず、37.6度くらいから39度超えとなっている。
このように診断された2019年から見てみると、徐々に周期が長くなり、発作期間も短縮していっていることが分かります。
4 この病気になって一番悩んだこと
筆者がこの病気になって一番悩んだこと。それは大事な行事と重なって子どもが園の行事に参加できないことでした。1か月に1回起こる発作ということで、誕生会や遠足・生活発表会など、残念ながらこの高熱で出席できないことが多々ありました。また、ピーク時は高熱が4日間続いていたので、仕事をしていた私はそんなに休むことができません。ですが、行かない訳にもいかず、泣く泣く祖父母に頼んで仕事に出かけていました。月に1回というスパンは相当大変でした・・。
そんな時に新しい小児科を受診して、希望の光が見えたのです☆
5 選択肢を与えられて、初の薬を試みる
引っ越しを機に新しい小児科を受診したときのこと。別の病気で受診したのですが、問診票にこれまでの病歴の欄で「周期性発熱」と記入していたところ、なんとその小児科には他にも2名の子が同じ病気をもっていることを聞きました。そこで、その子たちがしている2つの治療法を提案していただきました。
① 発熱発作の頻度が多いため、外科手術による扁桃摘出をする
これはとても効果が認められているようです。しかし、この病気は自然に治癒することや、全身麻酔の手術になるのでリスクを含めて検討する必要がありました。
② 発作をコントロールするために、発作時に少量のステロイドを服用して炎症を抑えて解熱させる
これは飲めば数時間で解熱をしますが、発作の周期が頻繁になるというデメリットがありました。
筆者は主人や両親とよく話し合い、外科手術はなるべく避けて薬を試みようと決めたのです。
ステロイドを飲むことには抵抗がありましたが、少量であること、またコントロールしていけることを聞き、早速2021年の9月、発作が出たタイミングで初めて薬を飲みました。
6 ステロイド(ホルモン剤)の効果はいかに!
初めて服用したのが2021年の9月。その時は2日間で解熱しました。その後、発作頻度が短くなると聞いていたので覚悟をしていましたが、次に発症したのが11月でした。
そして2022年は「1月⇒2月⇒6月⇒7月⇒9月⇒2023年3月」とかなりの間隔が開くようになりました。これには本人も驚きでした。不安もあったステロイドでしたが・・すごい!と思いました。そして今現在4月の1回の発作を経て経過観察中です。
7 落ち着いて行動すること
この病気と付き合って4年が経過し、現在は本人が「熱が出そう」という予測ができるようになりました。最初の症状は「頭のくらくら」から始まります。頭のくらくらがくると、すぐに自分で熱を測ります。最初は微熱程度ですが、数時間経つと39度超えになっています。微熱の時に喉を見ても、扁桃炎にはなっていません。ですが、熱がはっきり出たときにもう一度喉を見ると、両側に白い膿がついています。ここで「周期性発熱だね」と、こうなるわけです。
後はもうゆっくりするしかありません。頭痛があるので、ごろごろしながら過ごし、熱が下がるのを待ちます。
このように、現在では親子落ち着いて様子を見ながら発作と向き合うことができています。
これに咳や鼻水が出ていると風邪かなと思ったり、腹痛や下痢などを伴った時は細菌性もあるのかなと病院に連れていくようにしています。
今後発作周期はどうなっていくのか、本当に自然治癒するのか、薬は飲み続けるのか!など、まだまだ気になる点はありますが、経過を記録して見守っていきたいと思います!!!
以上、これまでの周期性発熱の歩みをまとめてみました☝
同じ病気を抱えるママが、少しでも参考になり励みになればと思っています。
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